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高野 公秀; 高木 聖也
no journal, ,
MA核変換用窒化物燃料のふるまいに関して、燃料製造後の保管中に蓄積したHe原子が高温でガス放出される際の影響を明らかにするため、室温で2年間保管したCm含有窒化物燃料ペレットの焼鈍試験を行い、寸法と組織変化に関するデータを取得するとともに、過去に同様の試験を行ったCm含有二酸化物と比較検討した。焼鈍開始直前において、ペレット寸法は1.1%膨張しており、結晶格子膨張の数倍の値を示したことから、結晶粒中の原子空孔が集合してボイドを形成したことが示唆され、二酸化物には見られない新たな知見を得た。焼鈍によるペレット寸法回復挙動において、800C以上でのHeガス放出によるスエリングは、窒化物では軽微であった。この理由として、組織観察の結果から、二酸化物に比べて窒化物では結晶粒径が小さく、開気孔が多いためと考えられる。1300Cでの焼鈍によっても、ペレット膨張は0.6%残存しており、室温で形成されたボイドが完全に消滅しなかったことから、燃料ピンのギャップ設定に考慮する必要がある。